60.E ラインモニタ(Logic MOTHER)
◆ラインモニタとは
ラインモニタとは,通信回路上に流れる信号線を捉え,それを記録するツールである.
本実験でラインモニタとして使用するデルタコア社の Logic MOTHER は最大 32ch の信号を記録することができる.
本来は論理回路をテストするロジックアナライザである.つまり,論理回路において複数の箇所の信号の論理をチェックすることにより,回路のテストやデバッグに利用される.論理回路の実装においては不可欠なツールである.
【LogicMother】:PC接続型測定デバイス
USBケーブルでPCに接続:PCにはドライバとアプリがインストール済み
回路の信号状態(H/L)を記録
長い文字列でも記録可能
https://gyazo.com/4cf572e47daff2b2040982894d783e7ehttps://gyazo.com/5ffcdb9f4bb5c1925debedbc3f190308
https://gyazo.com/3f1b2586bc1887627ece5ed308813203https://gyazo.com/5697988f1b2f7987d19198d85d2d4a31
図 60.E-1 Logic MOTHER
◆接続方法
まずレベルコンバータを通信系に接続する
LogicMother本体への接続は ↓↓
https://gyazo.com/f2b2ac32ba7085b6a40dcacf17dca6e4 https://gyazo.com/ad17db034d67be8569ebeb407897f191
(左)プローブを I/F コネクタに接続 (右)黒が GND,茶が #1,赤が #2
図 60.E-2 Logic MOTHER のプローブ接続
LogicMotherのプローブ接続は図60.E-2のようにする.
プローブは 16 本ずつ束になって,I/F 本体に 1 つのコネクタでつなげる.
I/F 本体にはコネクタが 2 つある (0-15ch, 16-31ch).
← ソフトの表示を考えると,0-15ch を使うほうがわかりやすいだろう.
データ通信実験では,シリアルラインに流れる SD 信号・RD 信号を論理的に時系列観測する――すなわち「ラインモニタ」として用いるので,使うのは 2ch だけ.
← どのチャンネルを使っても構わないが,見やすいように工夫すること
Logic MOTHER のソフトは比較的わかりやすい操作体系なので,詳細は省く.
※操作して覚えよう
LogicMotherはTTLレベルしか受け付けないのでレベルコンバータが必須.
データはオシロスコープと同じく,複数回採取すること.
◆注意事項:
通信速度に適したクロック(サンプリング幅)で観測する必要あり
小さすぎると変化が見えない
大きすぎると変化を取れない
バッファの設定(システム → メモリ設定)も調整する
大きすぎると時間がかかる
少なすぎると取りたい信号を逃す
また,正しく見るには「拡大率」を調整する必要がある.
△ Hint △ Logic MOTHER 設定のコツ
A. 測定プローブは外れやすいので注意.黒が GND
B. CLK:測定間隔は「10nS~100µS」程度.伝送速度によって異なる
※正しい測定には 1 ビットの何分の 1 にするのがいいか?
C. バッファ:記録量を確保する
※すぐに RUN が終わる/なかなか終わらない場合はバッファを調整 →「システム」メニューからたどる
D. トリガ:変なタイミングでデータが取れる場合は「トリガ」設定を疑う
E. RUNで記録開始.計測は自動終了する
F. 倍率:取ったデータは見やすい倍率で見る
G. プリンタをつなげれば,メニューから画面の印刷ができる
以上.
2023/9/18